なぜ?血圧の数値に左右差がでる理由とは
健康診断や診察等などで、誰でも一度は血圧を測ったことがあるかと思います。
低血圧や高血圧などはよく耳にしますが、そんな中で、「血圧の数値が左右で違う」ということを聞いたことはないでしょうか?
血圧は左右の数値が違って測定されることがあり、多少のズレは問題視されませんが、極端に数値に違うことがあると、身体になんらかの異変をもたらす恐れがあります。
今回はそんな血圧の左右差についてを詳しくまとめてみましたので、ご紹介していきたいと思います。
血圧測定 どちらの腕で測る?
基本的に血圧を測る際には、「右腕」が良いとされています。
現に測定器にも、右腕と書かれていることがほとんど。
これは、心臓に近い位置で測ることでより正確な数値が測れるとされているためです。
また、高血圧などを見逃さないために数値が高い方の腕で測定するよう決められています。
(左腕で測った時に比べて、右腕での測定の方が高い数値が出ることが一般的です)
これは心臓から出る大きな動脈が心臓の右側から出ているため、右のほうが圧力を受けやすいからと言われています。
数値の左右差について
若い年齢層の場合、極端に血圧数値の差がないことがほとんどですが、高齢になるにつれて、その数値の差は大きくなると言われています。
男女関係なく、50代以上になると血圧の正常数値の割合が30~40%ほどになります。
常に、左右の腕では数値に変化があり、2回測ってみて数値が変動することも、珍しいことではありません。
私たちは日々身体を動かしていますので、数値が全く同じになるとは限らないのです。
ですので、多少の差が出たからといって、過敏になる必要はありません。
右腕と左腕の血圧数値の差
数値であらわすと、以下の通りとなります。
・10mmhg以下・・・正常値
・10~20mmhg以下・・・グレー値
・20mmhg以下・・・危険値
大幅に左右差が出る場合は要注意。
動脈硬化や心臓病のリスクが高くなると言われています。
低血圧、高血圧とは
低血圧
高血圧の人と比べると、命に関わる危険性は低いと言われていますが、低血圧症になった場合には治療を行う必要があります。
低血圧の症状としては、「朝に弱い」・「動悸」・「めまい」・「食欲不振」・「胃もたれ」・「吐き気」などがあげられます。
高血圧
動脈の幅が狭くなり、全身の動脈硬化がみられることが特徴。
高血圧は危険性の高い病気を引き起こす可能性が高く、「脳梗塞」・「脳出血」・「狭心症」・「心筋梗塞」の原因にもなります。
また、重度の場合は降圧剤の投与を行い、血液をコントロールする必要があります。
適度な運動や食事などの生活習慣の改善も、ポイントとなってきます。
血圧測定での数値
高い数値を最高血圧、低い数値を最低血圧といいます。
動脈硬化は血管が老化しているサインかも?
今まで動脈硬化は高齢世代の方がなりやすいとされてきましたが、ストレスも動脈硬化に大きな影響を与えることがわかってきているため、若い世代の方にも注意が必要となってきています。
また、現代の日本は食文化の変化もあり、食事の偏りも起こりやすくなっていたり、交通機関等が非常に便利になってきていますので、運動不足も起こりがちです。
動脈硬化が原因として考えられる病気
糖尿病
インスリン不足が原因で、高血糖が慢性的に続く病気のことを指します。
異常な喉の渇きや、食事後に空腹感を感じたり、ダルい、眠気などがある場合、糖尿病の初期症状の可能性があるので、要注意。
高コレステロール血症
血液中の脂質(コレステロール・中性脂肪)が多くなる病気で、自覚症状がなく、早期発見することが難しいとされていますので、日ごろの食生活や適度な運動、そして定期的な健診が大切になってきます。
高尿酸血症
尿酸値が高い状態が続く病気で、この病気は数値が高いことが恐ろしいことなのではなく、合併症などを引き起こす可能性が高いことが危険とされています。
代表的な合併症の一つとして、「痛風」などがあげられます。
痛風は「ぜいたく病」などとも言われていて、現代社会における食の偏りなどが原因の一つともされています。
そのため肥満が大きな原因でもありますので、日ごろの食生活を摂生するよう心がけましょう。
年齢別 血圧(正常)数値
男性 30代 124/79 女性 114/71
男性 40代 130/84 女性 123/77
男性 50代 138/85 女性 133/81
男性 60代 142/84 女性 140/82
男性 70代 146/80 女性 145/79
このようにして見てみると、女性よりも男性の方がやや数値が高いことがわかります。
高血圧が進行していくと、脳梗塞や脳出血などの他にも視力障害などを引き起こす危険性もあり、眼底出血で出血量が多くなると失明する恐れもあります。
これもすべて、動脈硬化によるものですので、早期発見と早期の治療が重要となってきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
血圧の左右の数値の差には、放っておくと危険な病気になりうる原因が隠れていることがわかりました。
日ごろ血圧を測る機会があっても、右腕のみで測定することが多く、左右両方の把握をすることは意外と見落としがちな点でもありますので、左右両方の血圧を測るようにしましょう。
そして、もしも血圧を測定した際に極端に左右の数値に差がある場合は、自己判断などは避け、医療機関に相談をするようにしましょう。
また、健康維持のためにも、日々の生活習慣の見直しをして、快適な日常生活を送れるように心がけましょう。