コミケの凄さとは
花火大会や夏祭り、夏フェスなどと並んでなつの風物詩となっているコミケことコミックマーケット。
コミックマーケットという名称どおり、もともとは同人誌という、素人漫画家が人気マンガの自分で考えたその後のストーリーなどを描いて販売しているイベントでしたが、徐々に発展していき、コスプレイヤーの集いだったり、芸能人も出店したり、企業や更には政党のような政党までブースを出すこともあるなど多様化しています。
今夏行われた「コミケ96」の入場者数はなんと73万人。
以前より開催日が1日増えて4日になったこともありますが、それまで入場無料だったものが、今回から有料制になったにもかかわらずこの大盛況。
会場である東京ビックサイトの周辺、お台場付近は、コミプレイヤーも多いこともあり、コミケ開催中は独特の空気感でいつもとは違う空間になっている気がします。
特に凄いのが始発時とコンビニ。
まずはビックサイトの最寄駅であるりんかい線国際展示場駅や、ゆりかもめ東京ビックサイト駅。
やはり、人気のグッズや本はすぐに完売になってしまうため、朝イチの始発で来る人が多く、最寄駅は走り留めに奮闘する駅員さんとコミケ来場者とが、関ヶ原の合戦のごとく交差する、絶対負けられない戦いが繰り広げられているのです。
なかには、最寄駅の国際展示場駅やビックサイト駅ではなく、一つ前後する、ゆりかもめ青海駅や有明駅からダッシュしたほうが早く到着するなんていう猛者もいるほどです。
そして、コンビニ。
確かビックサイトの最寄りコンビニはFamily Martだったと思いますが、コミケ来場者に備え、日頃の何倍?いや何十倍の商品を仕入れ、スタッフもフルマックスに増員と、コミケを知らない人が見たら、何が始まるのか!?と思うほどの臨戦態勢。
きっとコミケ開催4日間だけで、1ヶ月分くらい、いやそれ以上の売り上げを記録するのではないでしょうか。
来場者72万人とは、同じ夏の風物詩で毎年楽しみにしている人も多い夏フェスの代表格、茨城ひたちなかで開催されるロッキンことRock’n JAPAN。
今年から5日間開催になって来場者数は約30万人強。
コミケと同日数の昨年、4日間で約27万人だったことを考えると、チケット代の価格や、都心からロッキンは離れていることを加味しても、ロッキンよりコミケが約3倍近い来場者を集めているということは凄まじいことです。
これだけのパワー、近年何かと元気がないと言われている日本だけに世界に向けてアピールできないものでしょうか。
京都アニメーションの放火事件でも、そうでしたが、アニメ好き(よく言う言葉だとアニヲタ)だと、なんか一般社会とはかけ離れた独特な世界の人々とフィルターをかけてしまう人が多いのですが、もちろんながらアニメ好きもごくごく普通の一般人。
なんかイメージで、アニヲタはボーダーシャツにリュックを背負ってみたいに思いがちですが、最近ではジャニーズや可愛いアイドルなどでもアニメ好きを公言している人も多く、もはや一部の人の独特な世界ではないのです。
コミケのこのパワー、国や自治体など公金が絡むとどうしてもつまらなくなってしまう恐れはありますが、クールジャパンの一環として、東京のみならず、全国で開催できないものでしょうか。
今も一部の詳しい人はコミケに合わせて来日する外国人の方もいますが、日本のアニメは日本人が思っている以上に海外で浸透しておりファンも多い。
インバウンドの一環としても、誇るべき日本のポップカルチャーであるアニメや漫画などをもっとアピールして、経済を刺激していって欲しいです。
例えば夏は東京、冬は大阪、春と秋は地方開催のように、遠くて行きたくても行けない人も気軽に行きやすいコミケになるよう、これだけのパワーなのですから、国を挙げてプッシュしても良いのではないでしょうか。