高視聴率ドラマが良ドラマ?
90年代、月曜日の夜は街から女性が消えると言われていたほど、フジテレビの月9ドラマは隆盛を誇っていました。
東京ラブストーリー、101回目のプロポーズ、ひとつ屋根の下、あすなろ白書、ロングバケーション、ビーチボーイズ???。
どれを取っても視聴率20%、30%を連発。
そりゃ街から人が消えたわけですから高視聴率にもなりますよね。
なんでも今のフジテレビでは、視聴率10%を超えると表彰されるらしいです。
月9全盛期を支えたフジテレビ関係者は、今の体たらくぶりを見てどう思うのでしょうか。
スポンサーの顔色を常に伺わなくてはならない民放はもちろん、スポンサーとは関係ないはずのNHKまで視聴率絶対主義。
大河ドラマ「いだてん」が最低視聴率を更新だとか、「チコちゃんに叱られる」が高視聴率連発とか、なんでそんなにまで数字にこだわるのか。
NHKくらいは、視聴率の良し悪しではなく、記憶に残るような、毎週放送が楽しみでならないような、そんな番組作りを目指して欲しいのですが・・・。
そうすれば、現在問題になっているNHKの受信料の問題も、今よりは回収率が上がるのではないでしょうか。
というのも、スマホをいじくりながら、洗濯物を畳みながらなど、ながら見していても、昭和のテレビ創生期の力道山を見るために食い入るように見ていても、どちらも視聴率計測器があったら、観ているにカウントされるわけです。
指針としての視聴率というのは、もう時代遅れではないかと思うのです。
そもそも今の時代、リアルタイムで視聴している数だけを計測する視聴率ってどこまで意味があるのでしょうか。
ハードディスク機で簡単に録画予約できますし、全録機のような予約せずとも全局録れるものすらあります。
更にはTVerのようにスマホアプリで視聴する人も少なくないでしょう。
個人的には、TVerが出始めの頃、ダウンロードしていて、最近はあまり使っていなかったのですが、ドラマからバラエティまでラインナップも幅広くなっており、確かにこれだけでテレビで見ずとも事足りる気がします。
更にNHKまでTVerに参入するようで、ブラタモリやLIFEあたりが観られたら、もうテレビ壊れたら買い直さなくてもなんて思ってしまいます。
つまり、もう高視聴率=良ドラマとは限らないのではないでしょうか。
現クールで、その筆頭が日本テレビの「あなたの番です」。
視聴率こそ前半が約7%、後半の反撃編は盛り上がってきているとはいえ平均9.8%。
テレビ業界では視聴率一桁はシングルと言われ、褒められたものではないようですが、このままでは記憶に残らない凡ドラマとなってしまいます。
果たして「あなたの番です」は凡ドラマなのでしょうか。
現在、放送終了後すぐはトレンドワードランキングの上位を独占するほど、推理合戦、考察で大盛り上がり。
ついに世界トレンド1位にまでなりました。
それでも視聴率だけを見て凡なのでしょうか。
推理合戦を繰り広げている世代には若い人も多いとされています。
きっと若者は、リアルタイムで見るわけではなく、多くがスマホアプリ視聴をしているのではないでしょうか。
ドラマに限らずですが、バラエティでもなんでも、これだけ視聴環境が多様化しているのですから、例えばTwitterでのワード回数を加味したり、録画人数を入れるなど、時代にあった視聴率計算をしていくべきだと思います。
話は変わりますが、この「あなたの番です」を監修しているのは、あの秋元康氏。
秋元氏といえば、AKB48や乃木坂46、古くはおニャン子クラブなどアイドルプロデュースでお馴染みで、批判を受けることも多いですが、彼の持つ時代を読む才能は流石の一言です。
美空ひばりさんの名曲「川の流れのように」を作詞した人だけはありますよね。